日本脱出 海外移住 選択するということに関して
日本を脱出して、海外移住したいと考えている人たちの参考になれば良いと思う。僕がスイスに住むことになった経緯を交えて書いていきたいと思う。
- 現在、自分にある選択肢を調べる
- 自分の興味と重なる選択肢を採用する
- いつまでにというスケジュールを決め、もしダメだったらプランを考えておく事
- 一度、出る事。出たら戻らない決意をする
僕の経験に当てはめて説明していくとこんな感じだ。
- 現在、自分にある選択肢を調べる
僕の場合は大学時代にドイツに留学したことで、ヨーロッパにまた戻って来たいと強く思っていた。留学期間が決まっていたため、ドイツで生活しながらも終わりがある事をとても意識していた。その間何を考えていたかと言うと、どうやったらまたドイツに戻ってこられるか。
日本に帰ったあとも、「また戻ってきたい」「海外で暮らしたい」という思いがあったが、どうすれば良いかわからなかった。行動を起こすための具体的な方法が自分の中になかったのだ。
自分にどんな選択肢があるのか、周りの人に聞いたり、知人を頼ったり、ネットで検索して、徹底的に調べて情報収集した。
学生ビザ、就労ビザ、ワーホリ、在外公館派遣員、ビザの種類を調べ、興味があることと選択肢を比較しながら海外移住のプランをわからないながらも練っていった。
そして、ある程度の選択肢はわかった。あとはどれにするかだ。
- 自分の興味と重なる選択肢を採用する。
仕事経験をすぐに積みたかった僕は、日本の企業を通してドイツに来れるようにしようと考えた。
自分が希望する国にその会社の関連法人があるのか、出向先があるのか、親会社が海外にあるのか、いくらでも調べられる。
意外な日本の会社がヨーロッパに法人を持っていたりする。
この駐在員プランが自分にはグッときた。一度日本でその会社に就職し、がむしゃらに働いて、その会社に認められタイミングさえ合えば、ビザがあり仕事の保証があり、という恵まれた待遇を得られるのだ。
会社のビジネスが自分の好きなことで成り立っていて、そして海外赴任ができること。
この基準で会社を探して、幸運にも採用された。
この選択肢を選んだ当時の僕は、出来る出来ないではなく、するかしないかというところまで追い詰められていたのかもしれない。未来が、つまらない今の延長線上でしかないような気がして不安でしょうがなかった。今見ている景色がそのまま死ぬまで続くかのような恐怖に取り憑かれていた。
僕が就職した会社はドイツに法人があるわけではなくスイスに法人があったのだが、ドイツ語が公用語でありドイツとは目と鼻の先で、自分の手でドイツ法人を立ち上げることも可能ではないか、と勝手に思い自分ならできると信じて夢を膨らませ続けた。
そして誰よりも先に仕事を覚え、会社に貢献しようと努力を重ねていった。
- いつまでにというスケジュールを決め、もしダメだった場合のプランを考えておく事
どうしても海外移住したかった僕は、もしもダメだったら案をワーホリビザに設定した。
ドイツのワーホリ取得年齢期限である31歳の誕生日を迎えるまでに、どうにもならなそうだったら会社を辞めて、ワーホリでドイツに行く。というダメだったらこうするという別案を持っておいた。これはその後、しんどくなった時の心の支えにもなった。
このワーホリ案によって、「いつまでに声がかからなければ、こうする」という会社で過ごす時間のデッドラインが決まっていたことで、仕事で多少の無理もする事ができ、試練にも耐える事ができた。
採用後は何かにつけスイスにいかせてくださいと周りに売り込み続けた。とにかく周りに言い続ける。これも大事なのだと思う。
そして、ある朝勤務していると内示の電話がきた。「スイスに行ってくれるか?」と。
- 一度、出る事。出たら戻らない決意をする
駐在員として働いていると、良いも悪いも常に日本に戻る時のことを考える。特に悪いことが起こりそうな時、起こった時に、日本に帰ればという考えがすぐ頭を過ぎる。
「今持っているビザが切れるので、一度日本に行ってからまた戻ってこようと思う。」そのように話す友人もいた。仮に日本に帰ったらほとんどの場合、戻ってくるにはより多くの時間がかかると思う。
日本は戻りません。そう決める事が、困難をチャンスに変える機会だし、異国の地で新たな世界を切り開いていくために大事なことのように思う。
スイスの場合、観光地であればハイシーズンだけ人手が欲しいので短期労働ビザを手配してくれるお店やガイド会社、山小屋、あるいはレストランがある。このあたりはツテさえあればなんとかなる。3〜6ヶ月の短期だけど、住んで働いてみることができるのは大きい。ツテはSNSで行きたい場所のコミュニティ見てみて、日本人がいればラッキー。その人にダイレクトメッセージして、情報収集するのが手っ取り早いと思う。協力してくれる人はたくさんいるはず。
また、スイスにはヤングプロフェショナルビザというのがあり、雇用予定者から労働契約書がもらえればヤングプロフェッショナルビザの申請が可能となる。あまり申請者が少ないからか、比較的取りやすく最大1年間フルタイムで働くことができる。
意外に世界は近くてすぐに手が届く。
日本を脱出したい、海外移住したいという方にとって、駐在員プランは気が遠くなるような期間かもしれない。
しかし僕の場合は就職してからちょうど4年で日本を出ることができた。その間に、どのようにビジネスが回っているのか、日本の会社の承認メカニズムを知ることができた。
幸運にも「ダメだったらプラン」を使うことなく、今も好きな会社に所属できている。
たまに他の会社の駐在員と話す時があるのだが、ほとんどが「後任が見つからない」と嘆いている。日本の会社では駐在員候補不足なのだと思う、特にヨーロッパは。
海外を目指す人にとってはチャンスなんだと思う。ビザがあって、仕事があって、という待遇は非常に恵まれている。そこに手を上げていくこと、手を上げ続けること、は実は遠回りのようで近い。そして逆説的だが、いつでも戻れる場所があることで多少しんどいことにも耐える事ができる。
すぐにでもと気が焦りがちだが、日本脱出、海外移住を目指す人には駐在員プランをお勧めしたい。